Column 11 アート・イベント
第五回高円寺演芸まつり(後編)
2月6日から15日まで10日間にわたり行われた、第五回高円寺演芸まつり。48会場、出演者130名と高円寺の街全体が演芸場に大変身。カフェや居酒屋、お寺や銭湯など意外な場所で一日だけの寄席が誕生。
お酒を呑みながら寄席を楽しめるのも、高円寺演芸まつりならでは。落語はもちろん「色物」と言われる落語以外の演芸、たとえばジャグリングやマジック、津軽三味線などもあり、盛りだくさん。通常寄席を聴くには木戸銭(入場料)が必要だけど、このイベントでは500円から寄席を楽しめるんです。
最終日に独演会も行った立川談慶さんは、初回の高円寺演芸まつりから毎年出演している。「街全体に落語の風が吹いている…そんな場所にしてみせたい。おそらく落語が出来始めの江戸の街もこんな感じだったのではと思いを馳せています」と語る談慶さん。
落語は、同じ噺でも演じる人によってまったく違うものになるのが面白いところ。
ワンコインで寄席を楽しめるのだから、いろんな寄席にいってみてお気に入りの芸人を見つけるのも、一つの楽しみ。
寄席の看板などに用いられる独特の書体を展示する「橘流寄席文字五十年~右近と左近の筆しごと~」は、3月1日日曜まで座・高円寺にて開催中なので、お見逃しなく。
白熱のアマチュア落語サークル
高円寺演芸まつりで活躍するのはプロだけじゃありません。
アマチュアも負けていませんよ。杉並区で活動しているアマチュア落語サークル「杉並江戸落語研究会」による演芸会や子どもたちが落語や皿回しに挑戦する「子ども寄席」が無料で楽しめるんです。
「子ども寄席」では、初めて落語に挑戦した子もいれば、落語に魅せられて何年も子ども寄席に出演している子も。どの子も楽しんでいるのが伝わってきて、思わずほほえみたくなる。中には大人顔負けの落語もありました。
さらに、「二人羽織」も披露してくれた子どもたち。これは、後ろになった人の方が羽織の袖から手だけ出して、前になった方が顔を出して羽織を着るというもの。この状態でおまんじゅうを食べるという芸は、愛らしさ満点。二人が息を合わせてやらないといけませんが、はたして子どもたちは無事に食べられるのか?見所満載です。
プロもアマチュアも、大人も子どもも、落語への熱い想いは同じ。どこの会場も、熱気と笑いでいっぱいです。寒さなんてなんのその。人情を感じる街・高円寺で大いに笑って、身も心もあったまること間違いなし。高円寺の魅力、そして演芸の魅力を存分に味わってください。
■ 第五回高円寺演芸まつり
http://www.koenji-engei.com/2015/
開催日時:2015年2月6日-15日
開催場所:高円寺エリアにある各店舗、座・高円寺主催:高円寺北地区町会連合会、高円寺演芸まつり実行委員会
連携:高円寺中央地区町会連合会、高円寺商店街連合会、座・高円寺地域協議会
協力:一般社団法人落語協会、公益社団法人落語芸術協会、五代目円楽一門会、落語立川流、社団法人漫才協会、太神楽曲芸協会、橘流寄席文字一門、NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会
提携:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
後援:杉並区、杉並区商店街振興組合連合会、杉並区商店会連合会
「平成26年度東京都地域の底力再生事業助成」対象事業