Column 13 東京高円寺阿波踊り
第56回東京高円寺阿波おどり(後編)
私のお気に入りの連
観戦のポジション探しのために阿波おどり開始3時間ほど前に高円寺に到着し、商店街などを散策していると、ある連(阿波おどりの踊り手の集団)が既に準備万端で商店街で軽く踊っていた。
この連は見逃せないと予感しパンフレットでその連の出発点近くの良く見えそうなポジションを探した。連の名は飛鳥連。高円寺阿波おどりの中でも歴史が古く、地元の演者さん達で成る連は本場の徳島阿波おどりを基本としているとパンフレットに書かれていた。
阿波おどりが始まるとすぐに飛鳥連がやってきた。
最初は子供たち、女踊り、男踊り、お囃子のバランスが良く、それぞれ稽古も充分積んだ綺麗な踊りが披露される。飛鳥連は全体の人数も多めだが、何と言っても子供たちの人数が他より多めで凄く上手だ。
小さい時からこういう環境の中で育つと、親から踊り手になることを期待される事も多いだろうが、気づいたら踊っていたと言う子供も多いだろう。親子代々踊っているのを見て育つと子供ながらに「踊りたい」という気合みたいなものを感じる。
お囃子が始まり、子供たちが先頭を切って元気良く踊りだす、続いて女踊りが綺麗にしなやかに舞う、男踊りは子供たちに迫力を付けたような踊りでカッコ良くポーズを決めながら踊る。ここまではさっき商店街で見かけた時の本気モード。やはり本気モードは違うな、より綺麗だな、より上手いなと感心していると、あっと言う間に踊りの雰囲気が変わった。
子供たち、女踊り、男踊り、お囃子、がそれぞれが一つずつの塊になって並んで踊っていた飛鳥連の踊りがぱっと花が咲いたようにその塊がはじけ、真っすぐ並んで三味線を弾いている一群が二列に並んだかと思うと左右の観客にパッと向き直ってみたり、振り返って左右入れ替わったり、三味線を弾く列の左右を子供達の一群はその脇を可愛く軽やかに踊って元気に往ったり来たり。
女踊りも男踊りも一気に華やかな動きに変わって、三味線の一連を取り巻く様にみんなが前後左右に大きく動きながら連全体としては前に進んで行く。元々阿波おどりは軽快な踊りとピタッと止まる動と静の踊り分けのような感じだが、それをもっとパワーアップしたような・・・言葉では上手く表現出来ないが、仮に例えるとすれば花火のようなパワーを感じた。
「飛鳥連」は私の一番お気に入りの「連」となった。
■ 東京高円寺阿波おどり
http://www.koenji-awaodori.com/
開催日程:2012年8月25日(土)・26日(日)午後5時-8時
開催場所:高円寺広域