Column 13 東京高円寺阿波踊り
「東京阿波踊り」は演舞場ごとに楽しみ方いろいろ
8月29日と30日の2日間、高円寺周辺で大々的に催された「第59回・東京阿波踊り」。JR高円寺駅にも看板や横断幕が掲げられ、改札口を出ると阿波踊りの装束に身を包んだ人たちがそこ彼処に行き来しているのが目に入り、町全体が熱気に包まれているのを体感できるでしょう。
今年で第59回を迎える“夏の風物詩”だけに、地元の人たちはもちろん、他のエリアからも多くの人が押し寄せます。
高円寺は地元商店街が元気な街で、今回の「東京高円寺阿波踊り」はもちろん、春の「高円寺びっくり大道芸」、秋の「高円寺フェス」、冬の「高円寺演芸まつり」と、春夏秋冬を通じてのイベントを開催することで、街の活性化に努めており、他のエリアの商店街からも高円寺の地域活性力は一目置かれています。
駅を中心に南北8つの演舞場
阿波踊り会場は、JR高円寺の北側に2つ、南側に6つあります。
駅北側の西には「純情演舞場」、東には「ひがし演舞場」が設けられており、昼間から阿波踊りを見物するための場所取りシートが置かれていたり、お酒を飲みながら日中に行われる神輿巡幸も見物する地元の人たちも少なくないようです。
沿道は地元商店街が軒を連ねるエリアだけに、道幅はそれほど広くない分、間近に阿波踊りを鑑賞することができます。
日頃も人通りの多い「純情商店街」に至っては、地元の人たちも各連の鉦や太鼓に合わせて一緒に団扇を振ったり、体を動かして、連と観客が一体化していました。
「ひがし演舞場」は多少道幅が広いこともあって、「純情演舞場」のような混沌とした熱狂感はないものの、夕闇にライトを浴びて浮かび上がる踊り手や鳴り物の人たちへの声援、そして各連が踊り切った後の惜しみない拍手は、「純情演舞場」にも劣らない盛り上がりを見せていました。
雨が降ったり止んだりという天候だったこともあり、ライトに照らされた道路に踊り手の影が長く伸び、風情が感じられる演舞場です。
駅南側には「パル演舞場」「ルック第1演舞場」「ルック第2演舞場」が南西方向に伸びており、南口ロータリー前からは「中央演舞場」「桃園演舞場」「みなみ演舞場」と、それぞれ3つの演舞場が道沿いに続いています。JR線ホームから見えるは、この「中央演舞場」と「桃園演舞場」の一部です。
「パル演舞場」「ルック第1・第2演舞場」は、アーケード商店街に設けられており、踊りは北から南へ進みます。
雨の影響もあってか、唯一のアーケード商店街である3つの演舞場は、観客がすし詰め状態で、それだけに踊り手や鳴り物の人たちとの距離も近く、観客から1メートルと離れていない場所で演武が行われ、熱狂の坩堝と化していました。
中でも鳴り物の人たちが観客の方に向かって、力いっぱいリズムをとると、観客もそれに応えるように歓声を上げたり、踊るような仕草で盛り上がっていました。
JR高円寺駅南口のメインロードに当たる「中央演舞場」「桃園演舞場」「みなみ演舞場」は道幅も広く、それぞれの演舞場に桟敷席も設けられています。
踊りは南の「みなみ演舞場」から高円寺駅南口ロータリーへと北に向かって進みます。
「中央演舞場」の桟敷席から「みなみ演舞場」方向を望むと、どこまでも連がつながっているようにも見え、どこまでも押し寄せてきそうな人の波にも圧倒されます。目の前を各連が次々とやってくるので息つく暇もありません。
同じメロディ・リズムでも、各連の衣装やふりつけによって、全く違った踊りのように思われるのも不思議です。
子供が参加している連も多数ありましたが、中には赤ちゃんを片手に抱いて踊る人も。高円寺流の英才教育とも言えるでしょう。
電車は混むけれど、劇的なラストもぜひ見届けて!
19時半、「あと30分です」というアナウンスが流れ、その後、「20分」「10分」「5分」「3分」「1分」とカウントダウンの感覚が縮まっていくにつれ、踊りはさらに激しいものとなっていきます。
そして、「30秒」「20秒」「10秒」…、そこからは1秒単位のカウントダウンとなり、20時、一斉に踊りを終える瞬間も劇的。最後の一瞬まで力を出し切った踊り手や鳴り物の人の満足感あふれる笑顔に、桟敷席の観客もステンディングオベーションで応えました。
■第59回東京高円寺阿波おどり
http://www.koenji-awaodori.com/
開催日程:2015年8月29日・30日/17:00~20:00
開催会場:高円寺広域主催:NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会
東京高円寺阿波おどり実行委員会
お問い合わせ:03-3312-3728