特集コラム

Column 6 高円寺びっくり大道芸

高円寺びっくり大道芸
2012/05/12

Vol.4 風評被害を吹き飛ばす「被災地応援マルシェ」

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東日本大震災直後に行われた『高円寺びっくり大道芸2011』では、震災で沈んだ雰囲気となっていた町を盛り上げ、被災地への義援金募集活動に注力するイベントとして開催されました。

震災から1年経った今年も、杉並区が「福島県南相馬市」と災害時相互援助協定を締結していることもあり、イベントが行われた2日間、12時から18時まで、高円寺駅南口駅前広場では「被災地応援マルシェ」と題して、福島県を中心とした東北各県の物産品を販売するテントが並びました。

「被災地応援マルシェ」開催には、地震や津波被害からの復興過程にある生産者をはじめ、放射性物質などの基準値を下回っているにも関わらず風評被害によって販売先を失った生産者を少しでも応援したいという高円寺の人たちの想いが込められています。

昨年に続き、イチゴ、トマト、しいたけなどの農産物を福島県「JA東西しらかわ」が出店。また、福島県の生産者による手作り味噌やオーガニックきゅうりも販売されていました。

さらに、岩手県陸前高田町で味噌や醤油を醸造している八木澤商店、岩手県大槌町のエルマーノ洋菓子店、宮城県気仙沼市の男山本店など、東北の生産地が揃い踏み。

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イタリアからスタートした“美味しくて(Good)、環境に配慮された(Clean)、公正な(Fair)食べ物を目指す”スローフードという考え方を機軸とした、「スローフードすぎなみTOKYO」のメンバーが全国に展開しているネットワークを駆使して、この「被災地応援マルシェ」をリードしていました。

私も実際に福島県二本松市の人気酒造の「食べる酒粕」を試食してみました。普通タイプと辛口タイプがあるそうで、いただいたのは普通タイプをきゅうりに塗ったもの。味噌をつけたきゅうりとは異なる美味しさです。

辛口タイプもそのまま食べてもOKですが、ラーメンや焼き鳥と組み合わせるとさらに美味しいとのこと。熟成させた吟醸粕を、素材の旨味が残る塩漬唐辛子と合わせた食品なので、辛い中にもまろやかさがあり、お酒のつまみにも良さそうです。

昨年もそうでしたが、今年も多くの人が“買って応援”しようと、各種農産物や地域の名産品を買い求めていました。また、販売用テントの外れには岩手県大槌町の被災前と被災後の様子を撮影されたものが展示されており、その写真に見入る人も少なくありませんでした。

この「被災地応援マルシェ」だけではなく、各商店街でも「東日本大震災義援金・南相馬市への義援金募集」の幟が掲げられていたり、それぞれの店が独自に義援金を集めてそれを日本赤十字社に寄付していたり、東日本大震災への復興支援活動が今も風化していないことに胸が熱くなりました。

Vol5へ続く

文・取材 / 丸山美智子

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